偏荷重の吊り荷をどうやって吊る?
君たち、偏荷重の荷を吊り上げることってあるかい?
偏荷重っていうのは、左右の掛け位置の距離や形状が異なることなんだけれど、
これを吊り上げるのって本当に大変だよね。
2本同じ長さのスリングを使って吊り上げると、荷が傾き落下事故につながる危険性があるから
荷を水平に吊り上げたいけど、玉掛け用具の長さを決めるのが難しくてなかなか水平にならないんだ。
そんな困ってしまう偏荷重の荷をバランスよく吊り上げれる方法を今日は紹介するよ。
まず紹介するのは、マーテック株式会社の「長さ調節機能付チェーンスリング」という製品だよ。
使い方は簡単で、マスターリンクにチェーンを引っ掛けることができるポケットが付いていて
このポケットにチェーンを引っ掛けることで、長さが自由自在に調整できるんだ。
チェーンの長さを自由自在に調整できるから、簡単に偏荷重吊りができちゃうよ。
次に「3点調整吊り」という吊り方を紹介するね。
3点調整吊りは、左右のワイヤロープの長さをチェーンブロックやレバーホイストを使用して調節して掛ける方法なんだ。
この吊り方のポイントは、荷を見て、荷重の軽い方にチェーンブロックを取り付けることだよ。
荷重の重い方にチェーンブロックを取り付けてしまうと、チェーンブロックに掛かる荷重が大きいことでギヤなど
部品が破損する危険性が高くなるんだ。
そして何より、手鎖を引く作業が大変になるからね!
次に紹介する吊り方なんだけれど、こんな風にワイヤロープの長さを調節して吊っているところを見たことないかい?
この吊り方は「余り返し」といって2本の玉掛け用ワイヤロープを使用し、一方の玉掛け用ワイヤロープの一部を折り返し、
長さを短く調節して掛ける方法なんだけれど、この吊り方は原則として禁止とされているよ!!
理由はもちろん危ないからなんだけれど、具体的な理由を3つ説明するね。
まず1つ目は、玉掛け用ワイヤロープの折り返し部、フックの半掛け部の滑りによって
吊り荷が転倒する可能性があること。
次に、折り返した部分の強度が著しく低下して、ワイヤロープにも癖がつく可能性があること。
最後が両フックなどの形状によっては掛けにくい場合があること、だよ。
どれも大きな事故に繋がってしまうよね。危険な吊り方ということが分かってくれたかな。
ここまで長さ調節機能付チェーンスリングやチェーンブロックなど
製品を使った吊り方を紹介してきたけれど、最後に紹介するのは特注品を作成だよ。
機械装置や重機・建機等、偏荷重で決まった形状の吊り荷を定期的に吊り上げる必要がある場合には
特注品を製造することで安全に、効率よく吊り上げられることもあるんだ!
特に、形状的にスリングが干渉する場合には、最適なスリングの長さまで設計した「特注天秤スリングセット品」の採用が増えているよ。
ここに納入した特注品を掲載しているから、気になった君はチェックしてくれよな!
君たち、今日も一日ご安全に!