ワイヤロープを100℃以上の高温雰囲気で使用すると、破断事故の危険が潜んでいる!≪〇〇な吊り方は〇〇な危険が潜んでいる! シリーズ第3回目≫
最高気温が39℃超えというニュースがチラホラ、
酷暑のお盆休みが明けたね。
君たちはどんな盆休みを過ごしたんだい。
僕は屋外でちょっとした作業をしたんだけど、
わずか2時間で・・・ものすごい日焼けをしてしまったよ。。。
さて「〇〇な吊り方は〇〇な危険が潜んでいる!」と
題して書いているシリーズだけど、前回までの内容を
覚えているかい。
お盆休みの間に忘れちゃった君たちは
ココから読み直しちゃいなよ。
今回は今の暑い時期に合わせて、熱い環境における
ワイヤロープの使用限度について「ワイヤロープを
100℃以上の温度が掛かる環境で使用すると、破断
事故の危険が潜んでいる!」と題して書こうと思う。
ワイヤロープには芯綱があるよ。
芯綱は、ストランドを支えてロープの形を保つと
同時に、ロープグリースを保持し内部から潤滑と
防錆に必要なグリースを補給するという2つの重要な
働きがあるんだ。
芯綱には、繊維芯と鋼芯の2種類があるよ
繊維芯
繊維芯は鋼芯に比べ、
・ロープの柔軟性がある
・ロープに加わる衝撃や振動を吸収する
・ロープグリースを含みやすい という特徴がある。
鋼芯
鋼芯は繊維芯に比べ、
・ロープの強度が高い
・横圧に対し強く、ロープがつぶれにくい
という特徴がある。
鋼芯は上の2つの特徴に加え、耐熱性に優れている
という印象があるようで、温度が100℃以上の吊り荷を
玉掛け作業をする現場では、鋼芯のワイヤロープが
使われることが多いんだ。
これって、非常に危険!
ワイヤロープの繊維芯は130~150℃で炭化し、
芯が炭化したワイヤロープは形崩れしちゃうけど、
鋼芯は繊維芯が炭化する温度以上でも、炭化・消失
することがないから形崩れを起こさないんだ。
だから、耐熱性に優れているという印象がある
みたいだけど、繊維芯も鋼芯も高い温度における
使用限度は同じなんだって知ってくれよ!
理由はロープグリースにあるんだ。
ワイヤロープに使われているグリースは、
60℃程度で滴下し、100℃までには消失しちゃうんだ。
グリースが無くなったワイヤロープは、摩耗や断線が
早期に発生し、性能が著しく低下するんだよ。
簡単に言うと、油が無くなりカラカラで素線が擦れ 合うから、
早期に断線し強度が落ちるってことだ!
強度が著しく低下する危険性から、
JIS B8817≪ワイヤロープスリング≫では、
「100℃を超える温度では使用してはならない」と
使用基準が定めているんだよ!
100℃を超える高温では、ワイヤロープではなく
チェーンスリングで玉掛け作業しちゃいなよ!!
ただし、チェーンスリングにも高温による強度低下があるものや
グレードによって使用可能温度が違うから、注意してくれよな!
使用に不安を感じた君たちは、ココから
問い合わせしちゃいなよ。
問い合わせをくれた君には、僕から連絡
するから、待っててくれよな!
「暑い、暑い」という声を聞くこの時季に、
あえて「熱い」内容を書いたけど、どうだった?(笑)
僕たちが暑いときに汗をかくのと同じように、
ワイヤロープも高温の環境ではグリースが
汗のように流れちゃうんだね(笑)
君たちは繊維芯、鋼芯に関係なく
ワイヤロープは全て100℃以上では使用禁止だって
覚えてくれよな!!
君たち、今日も一日ご安全に!!!