君たち、昨日4月27日はなんの日だったか知ってる?実は「ロープデー」だったんだ!
「よ(4)いつ(2)な(7)」の語呂合わせから決められたそうだよ。
玉掛け用具でロープといえば、ワイヤロープだよね!
ということで今回は「ロープデー」にちなんで、「ワイヤロープの心綱(しんづな)」について話していくよ。
ワイヤロープの心綱とは、ロープの中心に入っているものだよ。
君たちが目にすることは、あまりないかもね。
この心綱は、大きく分けて「繊維心」と「鋼心」の2種類あるから
それぞれの特徴を説明していくね。
繊維心
繊維心はFC (Fibre Core)と表されて、一般的な玉掛けワイヤロープで主に使用されているんだ。
その中でも「天然繊維心」と、含油性を高め耐食性に優れている「合成繊維心」があって、
それぞれ用途に応じて使い分けられるよ。
繊維心は柔軟性が大きい・衝撃や振動を吸収する・グリース(液状潤滑油)を含みやすい、という特徴があるんだ。
最初2つの特徴は、なんとなく良さが分かりやすいけれど
「グリースを含みやすい」って、なにが良いのか分かりにくいよね。
実は、グリースには潤滑と防錆の効果があって、ワイヤロープの心綱に含ませることで
使用中のワイヤロープの内部からグリースを補給できるというメリットがあるんだ。
特徴を分かりやすくまとめると、繊維心は鋼心に比べて
①ロープの柔軟性が大きい。
②ロープに加わる衝撃や振動を吸収する。
③ロープグリースを含みやすい(特に天然繊維)。
④ロープの質量が小さい。
等の特徴があるよ。
鋼心
鋼心は、主にクレーン用のワイヤロープなどに使用されているよ。
繊維心に比べ破断荷重が大きく強度があり、伸びやロープ径の減少、
横圧による型崩れに強い、耐熱性に優れている、という特徴があるんだ。
鋼心の中でも、ロープ心(IWRC、CFRC) と ストランド心(IWSC) があるんだけれど、
ロープ心IWRCが最も多く使用されているよ。
理由は、鋼心入りロープの中でも柔軟性が良いからで、
ストランド心は柔軟性に乏しいから、特殊な用途に用いられるんだ。
特徴を分かりやすくまとめると、鋼心は繊維心に比べて
①ロープの強度が大きい。
②横圧に強く、ロープがつぶれにくい。
③ロープの伸びもロープ径の減少も少ない。
④ロープの耐熱性が優れている。
等の特徴があるよ。
なんとなく、それぞれの違いが分かってくれたかな?
この心鋼には、どこの製造メーカーのものか識別できるように、社名入りのテープが入っているんだ。
これは、もしも事故が起こってしまったとき、どこで作られてたものかすぐ分かるように入れられているよ。
各メーカーが責任を持って、ワイヤロープを製造している証拠でもあるよね。
いっぱい説明しちゃったけれど、君たち!
最初に言ったんだけれど、心綱はワイヤロープの中心に入っているものだから普段は見る事ができないんだ。
もし使用前の点検時に、心綱が見えてしまっていたら、そのワイヤロープは廃棄してくれよ!
心綱がはみ出しているワイヤロープは、型崩れを起こしていて、
強度が大きく低下しているから危険だよ。
見えてしまったら廃棄するってことを覚えといてくれよな。
君たち、今日も一日ご安全に!