玉掛け用具の基本のき ~○○荷重~
明日からゴールデンウィークだね!間の平日も休みで、10連休って人もいるのかな?
ちょっと雨が降りそうな天気予報だけど、楽しみだね!
さて、ここから本題に入るよ。
新年度に入ったということで、玉掛け作業の「基本のき」を先々週から紹介しているんだ。
読んでいないよって人は、ここから読んでね。
今回も引き続き、基本のきを紹介するよ。
今回は、玉掛け用具の「荷重」について話していくね。
玉掛け作業をしていると、○○荷重って言葉がたくさん出てくるんだ。
僕も最初は、何が違うのかよく分からなかったよ。だから、1つずつ簡単に説明していくね。
①破断荷重(切断荷重)
破断荷重は、製品が壊れる、破断・切断するまでの最大の荷重のことなんだ。
「切断荷重」とも言われるよ。
②安全係数(安全率)
○○荷重には、当てはまらないんだけれど、この後の説明に必要な情報だから紹介するね!
安全係数は安全率とも言われ、破断荷重と、使用時にかけることができる最大荷重の比のことなんだ。
式にするとこんな感じだね。
<式> 安全係数 = 破断荷重 ÷ 使用時にかけることができる最大荷重
玉掛け用具には、ワイヤロープ、吊りチェーン、ベルトスリング、シャックル、フックなどの種類があって
それぞれに安全係数が定められているよ。
クレーン等安全規則第213条、第214条で定められている玉掛け用具の安全係数は、
・玉掛け用ワイヤロープ :6以上
・玉掛け用チェーン :5以上、ただし一定の要件を満たすものは4以上
・シャックル、フック :5以上
だよ。
ベルトスリング、ラウンドスリング等の繊維スリング、クランプ、ハッカーの安全係数は
法令(クレーン等安全規則)では定められていないけれど、日本クレーン協会規格で定められているんだ。
・ベルトスリング、ラウンドスリング:6以上
・クランプ、ハッカー:5以上
③ 基本使用荷重(基本安全荷重・最大使用荷重)
安全係数を考慮して、1本のワイヤロープ、チェーン等の玉掛け用具で
垂直に吊ることができる最大の荷重だよ。
安全係数の説明で「使用時にかけることができる最大荷重」って説明していたのは、
この基本使用荷重のことだったんだ。
式で求めるとこんな感じだよ。
<式> 基本使用荷重 = 破断荷重 ÷ 安全係数
基本使用荷重や安全係数の話をするときに、いつも言うんだけれど
安全係数が5倍だから、基本使用荷重は1tだけれど、5tまでは大丈夫!ってことじゃないから気を付けてくれよな!
なぜかというと、破断荷重っていうのは、
機械を使って徐々に引張って破断したときの荷重で、言ってしまえば試験値でしかないんだ。
実際に使う時は、強い衝撃や振動など様々な力がかかるよね。
そういう、使用時に起こりうる不確定要素を考え、安全に使用できるように
あらかじめ倍率を設定しているのが安全係数だからだよ。
④使用荷重(安全荷重)
使用荷重はワイヤロープ、チェーン等の玉掛け用具で、
各種吊り方において、玉掛け用具に使用上負荷することができる最大荷重だよ。
言い換えると、「吊り角度や吊り方を考慮したうえで、玉掛け用具に掛けることができる荷重」ってこと。
4つ紹介したけれど、分かってくれたかな?
今回は、玉掛け用具に関する荷重を紹介したけれど、
過去にクレーン関する荷重について説明したことがあるから
興味ある人は合わせて読んでみてね。
今日も一日ご安全に!