玉掛け用具の点検・廃棄基準~ラウンドスリング~
来週から7月だなんて、今年もあっという間に夏だね!
湿度も高くて蒸し暑い日も多くなってきたから、しっかり水分補給をして熱中症に気を付けてくれよな。
さて、ここから本題に入るよ。
よく「玉掛け用具を捨てるタイミングが分からない」と、点検についての相談をもらうんだ。
捨てるタイミングが分からなかったら、なんでも壊れるまで使っちゃうよね。でも、それってすごく危険だよね!
使用している現場に訪問させてもらって、説明しながら実際に点検してみると、
ほとんど廃棄基準に達していた!なんてこともあったんだ。
ということで、今回は
「ラウウンドスリング」の点検タイミングと点検項目・廃棄基準を紹介していくよ。
点検タイミング
ラウンドスリングに限らず玉掛け用具は、「日常点検」と「定期点検」を行うよ。
日常点検は、毎日作業前に行う点検で、基本的に目視での確認。
定期点検は、使用頻度により毎月1回以上定期的に行う点検のことで
日常点検より細かく確認し、台帳等に記入・管理するんだ。
この点検で、廃棄基準に達している玉掛け用具は廃棄する必要があるよ。
点検項目
①使用期間の確認(定期点検)
ラウンドスリングは、屋内で使用する場合は7年、屋外で使用する場合は3年と
使用期間がJIS規格(JIS B 8811)で定められているんだ。
この期間を過ぎているものは、基本的には廃棄するよ。
これは繊維スリングの材質の特徴として、見た目に異常が無くても、
紫外線などが原因の目に見えない劣化が進んでいるからなんだ。
この期間を超えて使用する場合は、メーカーによる特別点検(だいたい有償)を受けて
使用しても大丈夫か判断してもらう必要があるよ。
②ラウンドスリング全体の表面布を確認(定期点検・日常点検)
ラウンドスリングは、芯体と呼ばれる糸の集合体を布で包んだ構造なんだ。
ラウンドスリング全体の表面布を確認して、表面布が破損し中の芯体が見えているものは廃棄してね。
小さな穴でも、そこから異物が入っていたら、芯体に傷がついている、断線してしまっている可能性があるからだよ。
③表面布の接合部・連結部分を確認(定期点検・日常点検)
縫製糸がほつれて、芯体が見えているものは廃棄するよ。理由は②と同じだよ。
ただ②③は、芯体が傷ついていない場合、修理できる事もあったりするんだ。
だから、捨てるのはちょっともったいないな…って時は一度メーカーに相談してみてくれよな!
くれぐれも自分では判断しないでね。
④硬く、太さが不均一になっている箇所がないか確認(定期点検・日常点検)
芯体は切れたり、過負荷がかかったりすると、1ヶ所に偏り他の部分より硬く太くなるんだ。
だから、全体を確認して、芯体が部分的に硬くなって、太さの不均一さが目立つ箇所があったら、
そのラウンドスリングの芯体は傷んでいるから、もう使用できないよ。
⑤その他 外観異常を確認(定期点検・日常点検)
表面布に摩耗、熱、薬品などによる、著しい毛羽立ち、変色、着色、溶解、腐食などの異常があったら廃棄するよ。
また、汚れが酷くて今挙げた項目が確認できないものも使えないよ!
汚れたラウンドスリングは、中性洗剤を使用して冷水で洗えるからキレイに使ってね。
以上が、ラウンドスリングの点検項目だよ。分かってくれたかな?
点検時に使える「定期点検チェックシート」も用意しているから使ってみてね!もちろん無料だよ。
今日も一日ご安全に!