ラウンドスリングの表面布に穴が開いたときは、廃棄もしくは一旦使用を中止して補修しちゃいなよ!!
君たち、玉掛け作業をする前に
玉掛け用具の点検、メンテをしているかい。
前回、玉掛け用具が異常な状態のままで使用し続けると、
破断して荷の落下事故を起こす危険性があるから、
目視点検をした後、異常があれば直ちにメンテ(補修)
や取り替えをしちゃいなよって書いたよね。
君たちの現場にラウンドスリングは有るかい?
ラウンドスリングって点検をしていても、それだけで
終わっていることが多いみたいなんだ。
点検して表面に穴があったらどうする?
ってことで、今回はラウンドスリングの補修について
「ラウンドスリングの表面布に穴が開いたときは、
廃棄もしくは一旦使用を中止して補修しちゃいなよ!」
と題して書こうと思う。
今回の本題に入る前に、ラウンドスリングの
点検・廃棄基準が分からないっていう君たちは
ココを確認してから、本題を読んでくれよ。
ラウンドスリングの点検基準に「表面布の損傷」という
項目があったよね。
玉掛け作業中にラウンドスリングを何かに擦ったり、
引っ掛けたりして表面布を破ってしまう事って
あると思う。
少しでも穴が開いたラウンドスリングは、
一旦使用を中止してくれよ。
※基本は廃棄しちゃいなよ。
穴が開いたけど、小さい穴だから大丈夫って
思われがちだけど、これって非常に危険なんだ!
上の図のようにラウンドスリングに穴が開き、
その穴から異物が入ったらどうなるか想像して
みちゃいなよ。
ラウンドスリングの内部は、芯体と呼ばれる細い線の
集合体で構成されているけど、異物がその芯体を
傷付けて断線させてしまう恐れがあるって知って
ほしいんだ。
怖いことは、ラウンドスリングは表面布で覆われて
いるから、内部が確認できないことなんだ。
異物がラウンドスリングの内部、つまり目に見えない
ところに入り込んで、芯体にどれだけの傷を付けている
のかが分からないってことだよ。
目に見えないところで芯体が断線しているのに、
そのまま使い続けていたら、結果は・・・
分かるよね。
そんな危険な状態にならないように、
君たちは表面布に穴が開いたラウンドスリングの
使用を一旦中止してくれよな!
この内容はJIS B8811≪ラウンドスリング≫でも
廃棄基準として記されているんだ。
JISには注釈で「表面布に異常が見られる場合、点検の
結果明らかに損傷が表面布に限られているときは、廃棄
する代わりに製造業者による表面布の補修を行うことで
ラウンドスリングの使用を継続してもよい」とも記され
ているよ。
君たちは、ラウンドスリングの表面布に穴が開いた
場合、破棄するか一旦使用を中止し補修、継続使用の
可・不可をメーカーに確認するようにしちゃいなよ!
僕もお医者さんにされたことがあるんだけど・・・
病院で受診するときって服を捲るよね。
ラウンドスリングも同じで芯体の点検をする時は、
表面布を捲るんだよ。
僕がお医者さんに任せるように、芯体の点検は
メーカーに任せるようにしちゃいなよ!
たとえ開いた穴が小さかったとしても、絶対に
そのままで使用を継続しないでくれよな!!
君たち、今日も一日ご安全に!!!