こんな吊り方は危険!原則禁止!?

今回は、原則禁止とされているような危険な吊り方、吊り具の使い方を紹介するよ。

 

1.ワイヤロープの一本吊り

まず紹介するのは、「ワイヤロープの一本吊り」だよ。これは知ってるって人多いよね。

この1本吊りは、1本1点吊りのことだよ。

 

ワイヤロープの1本吊りは

①吊り荷が不安定になってしまう。

②ワイヤロープの撚りによって吊り荷が回転してしまう。

③回転することで加工部が抜けてしまう恐れがある。

などの危険性があるんだ。

これらの理由から、線材製品協会鋼索部会(旧日本鋼索工業会)監修の「玉掛索の正しい取り扱い方」や

全日本ロープ加工組合連合会の「玉掛索取扱説明書」などに、「ワイヤロープの1本吊りは禁止」と書かれているよ。

 

参考動画として、ワイヤロープの1本吊りをした動画をYouTubeに載せているから、気になる人はチェックしてみてね。

★大洋製器工業YouTube 【検証】ワイヤロープ1本吊り禁止!?

また、1本1点吊りを避けて、1本の玉掛け用ワイヤロープで荷を吊る方法は過去ブログで紹介しているよ。

★吊り具ブログ 吊りのひと声!「くくり吊りってどんな吊り方?」 

 

2.フックでチョーク吊りする

次に紹介するのは、「荷に玉掛け用具を巻き付けて、フックで固定する方法」だよ。

スリングだけで目通し吊りするより、フックを引っ掛けるだけで簡単だから

してるって人も、もしかしたらいるんじゃないかな?

実はこの吊り方は、フックのJIS規格(B 2803)に禁止事項として記載されているんだ。

なぜ禁止されているかというと、フックが吊り荷に当たると、

フック本体への衝撃によって外れ止め金具が破損する可能性があるからだよ。

外れ止め金具が壊れちゃうと、フックからワイヤロープが抜け落ちて吊り荷が落下する危険性があるよね、、、。

 

だから、チョーク吊りをする時は、チョーク吊り専用のフックを使用するか

スリングのみで目通し吊りするなどして、フックで固定する方法以外をしてくれよな。

 

3.スリングを結んだり、引っ掛けたりする

長いスリングを短く使いたいからって、結んだり、引っ掛けたりしていないかい?

また逆に、短いスリング複数本を結んだり、引っ掛けたりして長くしてない?

この使い方、ワイヤロープ・繊維・チェーンのどのスリングでも、強度低下を起こして危険なんだ。

 

 

それぞれ説明すると、ワイヤロープの場合はキンクが発生する可能性があるよ。

ワイヤロープのJIS規格(B 8817)の廃棄基準に「キンクなどの欠陥が生じたもの」と記載されていることから、

キンクしたワイヤロープが危険ということが分かるよね。

繊維スリングは「ベルトスリング」と「ラウンドスリング」、両方のJIS規格の禁止事項として

「極端なねじれ、結び又は互いに引っ掛けた状態で使用してはならない」と定められているよ。

チェーンスリングは、上の2つと比較しても、特にねじれやもつれに著しく弱いんだ。

JIS規格(B 8816)にも「チェーンがねじれたり、もつれたりしたまま使用しない。」と定められているよ。

 

ちょうど良い長さのスリングを用意できなくて、どうしてもスリングの長さを調節したいときは、

チェーンブロックや長さ調節機能付きのスリングなど適切な連結金具を使用してくれよな!

 

今回は、危険な吊り方、吊り具の使い方を3つ紹介したよ。分かってくれたかな?

 

3月も中旬に入って、急に暖かい日が増えてきたね!

暖かい日が増えるのは嬉しいけれど、花粉症の僕は顔がかゆくて、くしゃみが止まらないよ。

 

今日も一日ご安全に!

 

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