玉掛け作業の基本のき~使用禁止!吊り具ではないモノたち~

新しい年度が始まったね。新入社員が入ってきたってところも多いんじゃないかな。

君たち、新入社員にまず教えることは分かっているよね?

そう!この吊り具ブログ「吊るのひと声!」を教えることだよ!

 

ということで今回は、新入社員・玉掛け作業に慣れていない人たちに向けて

玉掛け作業の「基本のき」を紹介するよ。

今回は、「見た目は玉掛け作業に使えそうなんだけれど、実は玉掛け用具ではないモノ」を紹介するよ。

そんなこと分かっているよ!っていうベテランの君たちも、

新入社員や玉掛け作業に慣れていない人に教える時の参考にしてくれよな。

 

 

ワイヤグリップ

ワイヤグリップワイヤグリップで締め付けたワイヤロープ

ワイヤグリップは、端末加工や締め付けに使うものなんだけれど

このワイヤグリップで締め付けたワイヤロープは、玉掛け作業に使わないでほしいんだ。

ワイヤグリップ止めのワイヤロープは「張り索」として使用してね。

 

なぜ使わないでほしいかというと、クレーン等安全規則 第219条に

「アイは、アイスプライス若しくは圧縮止め又はこれらと同等以上の強さを保持する方法に

よるものでなければならない」と記載があるんだ。

ワイヤロープ 端末加工 加工効率

ワイヤグリップ止めの加工効率は、正しく取り付けられた場合でも80%、

不適切な取付方法であれば加工効率は50%以下になってしまうよ。

つまり、「加工効率が75~95%のアイスプライスや95%の圧縮止め(ロック止め)と同等以上といえない」ということが分かるよね。

 

台付けワイヤロープ(台付索)

「台付けワイヤロープ(台付索)」は、荷を固定するためのワイヤロープで

玉掛け用具として使うことができないよ。

 

なぜかと言うと、荷を吊り上げるための「玉掛けワイヤロープ(玉掛索)」の加工方法は

クレーン等安全規則の第219条で規定されているんだけれど、

台付けワイヤロープは、加工方法が規定されていないから安全上玉掛け作業には使えないんだ。

だから、玉掛け作業をする時は「玉掛けワイヤロープ」を選ぶよう気を付けてね。

★玉掛けワイヤロープと台付けワイヤロープの違いはココ

 

雑用チェーン

雑用チェーン

雑用チェーンは、荷締めや、遊具、装飾、人の流れを規制するためなど、

様々な使用目的で使われるチェーンだよ。

なんで玉掛け作業に使えないかと言うと、溶接の方法が関係あるんだ。

雑用チェーンの溶接方法は「アプセットバット溶接」と言って

接合させたい母材の端面同士を軽く接触させて加圧しながら電流を流し、

電気抵抗によって発生した熱で、接合させる方法なんだけれど

この溶接は、接合部に完全密着が望めないことから強度が弱く、吊り具には使用できないんだよ。

 

ターンバックル

ターンバックル

ターンバックルは、ロープやワイヤなどの張力を調整する金具で

鉄骨、プレハブ建設の引き締め、船舶の艤装や荷締めなどで使われるよ。

ターンバックルは引っ張ることが役割であって、玉掛け用具として使えるほどの強度がないよ。

 

 

今回は、見た目は玉掛け作業に使えそうなんだけれど、実は玉掛け用具ではないモノ」を紹介したよ。

もし、今回紹介した製品以外で「これ玉掛けに使ってもいいのかな?」って不安に思ったときは、

購入元や営業員に確認してみてね。

 

今日も一日ご安全に!

 

 

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