素線切れは表面だけで起きてるんじゃない!
前回「漢字の日」について少し書いたけど、
今年の世相を表す漢字1字は「金」だったね。
この「金」という字が選ばれたのは、今年で
3回目。そのすべてがオリンピックイヤーに
選ばれているんだ。
感動のシーンも多くあったし、良いものは何度
選ばれても良いよね。
ところで僕自身では、今年の1字は何になるかな?
なんてことを考えてみたら、1年の出来事を
いろいろ思い出せたよ。
君たちも、振り返りの機会として
面白いかもしれないから、今年の1字を
考えてみたらどうだい?
さて、そろそろ本題に入るよ。
今回でワイヤロープに関する話題は連続
3回目だけど、前回の内容は覚えているかい?
読み返したい君たちは、ココから
確認してくれよ。
今回は
「素線切れは表面だけで起きてるんじゃない!」
と題して書くよ。
君たちも毎日、安全に作業ができるように
玉掛けワイヤロープの点検をしているよね。
点検項目で思いつくのは何?と聞くと、
摩耗、素線切れ、形くずれなどを
思い浮かべると思うんだ。
その中で素線切れについて注意してほしいことが
あるんだ。
上の画像は、素線切れを起こしている状態を
示しているよ。
これはワイヤロープの表面で起きる素線切れで
山切れと言うんだ。
「山」があれば「川」じゃなく、
「谷」があるよ。
素線切れで言うと、「山切れ」と「谷切れ」が
あるんだよ。
上の画像は山切れを断面図で示しているんだ。
ワイヤロープの表面に見えている素線が切れる
ことを「山切れ」と言うんだよ。
注意してほしいのは、この山切れではなく、
谷切れについてなんだ。
下の画像が谷切れを断面図で示したものだよ。
谷切れは素線と素線が擦れ合うことで、素線切れ
に至るんだけど、その場所は見えにくいんだよ。
つまり、注意してほしいポイントは、
谷切れは目視で発見しにくいということ。
では、その発見しにくい谷切れを発見する
方法が分かるかい?
それは、ワイヤロープを曲げてみれば良いんだよ。
谷切れを発生していた場合、ロープを曲げると
素線が飛び出すから、その素線の飛び出しの
有無をしっかり確認してくれよ。
また素線が飛び出すときに、プチプチッと小さな
音が鳴ることがあるから、その音を確認するのも
良いと思うよ。
点検で谷切れを発見できずに、ワイヤロープを
使用し続けると、破断する危険性があるから
要注意だよ。
素線切れは目に見える表面だけで起きるんじゃ
ないってことを覚えておいてくれよな!
素線切れは危険な要因で、その危険が表面だけで
起きてるんじゃないってことは、裏面でも
危ないことがあるってことだよね。
裏面に潜んでいる危険と言えば・・
岩場に潜んでいるウツボが思い浮かんだよ。
ひっそり隠れていて、出てきたときにはヒヤッと
したり、痛い目に遭ったりしちゃうよね。
これって、ワイヤロープの谷切れに似ていると
思わないかい?
谷切れもひっそり潜んでいる危険だってことを
忘れず、ワイヤロープを点検するときには
谷切れの発見にも努めてくれよな!!
君たち、今日も一日ご安全に!!!