傷付けない方法もあるんだよ!

前回は、破壊試験について書いたんで、今回は、非破壊検査について書こうと思う。

非破壊検査は、そのまんまなんだけど製品を破壊しないでする検査で、
製品の有害な傷を破壊することなく見つけることができるんだ。

吊り金具で良くする非破壊検査で、UT、MT検査ってのがある。
何のことかわからないようね。
じゃ、今から説明するよ。

まずは、MT検査についてだ。
MT検査のMTは、Magnetic Particle Testingのことで磁粉探傷検査
(じふんたんしょうけんさ)のことなんだ。

磁気の性質を利用する検査なんだ。
シャックルやフックなどの金属製品に、「磁粉」と呼ばれる磁石に
くっつく細かい粉をふりかけると、傷や小さなへこみのある場所に
磁粉が引き寄せられる。
それにより、目で確認できないサイズの傷や小さなへこみであっても
見つけることができるんだ。
表面に近い深さであれば磁気が影響を及ぼし、内部の傷も見つける
ことができる。

この検査は、試験体が磁石にくっつくことが条件なんだ。
くっつかなければただ粉をふりかけているだけになるから気をつけろよ。

この検査は、試験体の表面近くにある割れのような傷を見つけるには
最も優れた検査なんだ。

磁粉探傷.JPG磁粉探傷検査.jpg

次に、UT検査についてだ。
UT検査のUTとは、Ultrasonic Testingのことで超音波探傷検査
(ちょうおんぱけんさ)ってことになる。

超音波って言うのは、簡単に言えば「人間の耳には聞こえないほどの高い音」のことなんだ。

超音波には金属などの物体内部に伝達しやすい、そして物体内部を
伝達している時に、物体の端に当たったり、違う材質との境界に
当たったりした時に反射しやすいという性質があるんだ。
これらの性質を利用して、物体内部の傷や巣(小さい空洞)の有無や、
厚みや内部の欠陥の位置を割り出すことができるのが超音波探傷検査
なんだ。

余談だが、高周波数の音は、年齢とともに徐々に聞こえ難くなるのは、
君たちも知ってるよね。そこで、最近はやりの耳年齢チェックの
サイトでチェックしたらかなり悲惨な結果になっちゃった。
歳がばれるから結果は言わないけどね。

磁粉探傷検査は、シャックルやフックなどの金属製品の表面や
表面に近いところにある小さい傷などを見つけることに適してるし、
超音波探傷試験は金属製品などの内部にある傷や巣(小さな空洞)
を見つけることができる。

大洋製器工業では、シャックルやフックなどの点検に磁粉探傷検査を
お勧めしている。
破壊したり、傷つけたりしないからなんだ。

某有名人の優しいときみたいにね。
非破壊検査は、製品の有害な傷を破壊することなく見つけることができるんだ。
検査して問題なければ安心して製品を使用できるからね。
大洋製器工業には、磁粉探傷検査を行う設備があるので利用してくれよな。