軽トラでは勝てないよ!?
前回、「多点吊り計算」ツールを紹介したが、もちろん君たち使ってくれたよね?
7月5日には、アプリ版「D.C.吊るーん」が登場する。
これで外出先でも多点吊りの計算ができちゃう。
アンドロイド スマートフォンを持っていればだけどね。
多点吊り計算の話はこれぐらいにして、今回は吊り具の種類についてだ。
吊り具はモノを吊り上げるために使われる用具のことなんだけどいろいろな種類がある。
ここでは、一般的に「スリング」と呼ばれる吊り具の種類について書こうと思う。
上の画像の吊り具、ワイヤロープや吊りチェーン・繊維スリングなどのことをスリングって言うんだ。
一般的なのがこの三種類だ。
なんでこんなに種類があるかって?
これらのスリングにはそれぞれ特徴があるからなんだ。
それを今から説明しよう。
まずはワイヤロープスリングだ。
よく使われている一般的なスリングなんだ。ロープの種類も多く、加工屋さんもたくさんあるから、
好みのサイズ、仕様に簡単に加工することができちゃう。
取り扱いによっては、形くずれ(キンク)をおこす可能性があるので注意が必要だ。
つぎに繊維スリングだ。大洋製器工業では、インカスリングって言う名前の繊維スリングを
製造販売している。
高強度のポリエステルで作られたスリングで、本体が軽く、柔らかいため扱いやすい。
吊り荷に傷をつけたくない時や頻繁に取り外しがある作業にはお勧めだ。
その反面、熱に弱く、そして横滑りや突起による引っ掛けにも弱いので、角張ったものや
出っ張りのある吊り荷には、保護具を使用してほしい。
最後に、吊りチェーンについてだ。
他のスリングに比べ、耐熱性・磨耗に強く、形崩れの心配がないんだ。さらに、
部材さえあれば特殊な工具なしに現場でスリングを組み立てることができちゃう。
この特徴を生かして高温になる工場や鉄骨を吊ったりするときに使われることが多いんだ。
重量が重いので径が大きくなってくると取り扱いが大変になっちゃうよ。
これらのスリングの特徴をわかりやすく比較した表がこれだ。
それぞれのスリングにもいろいろな種類があるから、当てはまらない場合もあるけど、
一般的にはこんな感じだ。
それぞれのスリングの特徴を知っておくことをお勧めするよ。
たとえば、軽トラで自動車レースに出たとしよう。
もちろん勝てないようね。
だって、軽トラはちょっとした荷物を運ぶことには適しているけど、レース用には作られていないからね。
スリング選びも同じなんだ。
それぞれのスリングの特徴を生かし、作業内容に合ったスリングを選ぶことによって、
作業が楽になり安全にもつながるってワケだ。
君たち、スリングの特徴を覚えておいて損はないと思うよ。