斬鉄剣は熱間鍛造?!
4月から吊り具についていろいろと書いてきたんだけど、
君たち吊り具について分かってくれたかい。
大体、一通り吊り具について書いたんで
今回からシャックルの続きについて書こうと思う。
シャックルについては、使い方や選定方法なんかを以前書いたんだけど君たち覚えているかい。
忘れた君たちは、前のブログを確認してほしい。
今回は、シャックルの製造方法について書こうと思う。
シャックルは「熱間鍛造」って方法で作られている。
「熱間鍛造」とはその字のごとく「加熱して鍛(きた)えて造る」ことなんだ。
熱間鍛造は金属を加熱して柔らかくしてから、大きな力でたたいて圧力を加えることで金属の組織をきめ細やかにし、しかも同時に形を変えて必要な形状に成形することなんだ。
材質にもよるけど熱間鍛造することによって強くなり粘りも出るんだ
刀とかも熱間鍛造で作られているから強靭でしなやかなんだ。
まぁー、斬鉄剣は作れないけどね。
鍛造の話はこれ位にして、シャックルの製造工程を紹介するよ。
これは、軽量シャックルの製造工程なんだ。
1.材料を所定の寸法に切断する。
2.切断した材料に熱を加える。
3.据え込み鍛造って工程に入るんだ。
据え込み鍛造がよくわからないよね。
据え込鍛造はアプセットとも言われ、軸方向に圧縮して直径方向に大きくする加工方法のことなんだ。
この加工でダンゴ(鉄アレイの状態)を作るんだ。
4.据え込み鍛造により大きくなったダンゴ部分を型打ち鍛造することによって、
シャックルのアイの部分が完成する。
これを丸棒の両サイドに加工するんだ。
5.シャックルをUの形に曲げて加工する。
ここまでくればだいぶシャックルらしくなる。
6.焼きなましをすることで金属の内部のストレス(応力)を除去してひずみを無くすんだ。
7.それからだんごの部分の穴を機械加工する。
8.また熱処理をするんだ。
焼き入れ焼き戻し(Q/T)することで粘りが出て強靭なシャックルになる。
9.磁粉探傷検査(MT)を行い有害な傷がないかどうかチェックするよ。
10.塗装してボルト・ナット・割ピンをセットし、検品してやっと完成するんだ!
シャックルの種類によって多少の違いはあるけど、こんな工程でシャックルは製造されているんだ。
丸棒の先端を加工して、曲げて加工する方法で作っているんで、特注サイズも対応できるんだ。
だから、シャックルの長さや幅に指定があるときなんかでも作ることができちゃうって
ワケなんだ。