ジェイソンが溶接!
前回、シャックルには定期的に点検が必要だってことを書いた。
シャックルなどの吊り金具は、常に安全に安心して使える状態にしておくために点検を
怠ってはいけないんだ。
今回は、具体的な点検について書こうと思う。
点検項目は大きく分けて
1・アークストライクがないか点検
2・本体及びボルト・ピンが変形していないか点検
3・当たりキズ、切り欠け・亀裂がないか点検
4・クラウン及びボルトが摩耗していないか点検
この4項目なんだ。
順番に説明するよ。
まずは、アークストライクについてだ。
アークストライクがあるシャックルは、急速に傷や割れが進んじゃうんで廃棄しない
といけないんだ。
んー、アークストライクがよく分からないって?
アークストライクって言うのは、「母材の上に、瞬間的にアークを飛ばし直ちに
切ること。又は、それによっておこる欠陥」って JIS Z 3001に定義されて
いるんだ。
実際には、アークストライクは製品の近くで溶接していて不用意に溶接棒や
溶接ワイヤを接触させてアーク(火花が飛ぶ状態)を発生させたときに
おこるんだ。
アークストライクの熱影響によって熱処理を施した合金鋼の材質が変化
しちゃうワケだ。
合金鋼のシャックルに材質変化が起こると、もろくなり、割れや亀裂などが
発生して強度低下を招きシャックルが破損しやすくなっちゃうってことなんだ。
同じことが、シャックル自体に溶接したときにもおこっちゃうんだ。
まぁー、これはシャックル以外にも合金鋼で作っているフックやリングにも
言えることなんだけどね。
例えば、合金鋼のシャックルに勝手に溶接しちゃったり
シャックルの近くで溶接していて、シャックルに溶接棒を付けてアークを発生させちゃった
らそのシャックルは使っちゃいけないんだ。
そう言うことで、基本的にシャックルに溶接したりすることはできないんだ。
ただ、材質によってや適切に熱処理をしたときなんかは使える場合もあるんで、
どうしても溶接して使いたいときは相談してほしい。
と言っても、こんな穴だらけの面を使って溶接したらダメだけどね。
危険だからね!
次回は「本体及びボルト・ピンが変形していないか点検」について書くから
君たち見に来てくれよな!