叫んで教えてくれるワケじゃない!
7月30日から三回にわたってシャックルの点検について書いてきたんだけど、
君たち覚えてくれたかい?
1、アークストライクがないか点検
2、本体及びボルト・ピンが変形していないか点検
3、当たりキズ、切り欠け・亀裂がないか点検
4、クラウン及びボルトが摩耗していないか点検
覚えていない君たちは、過去のブログを見ちゃってくれよ。
ジェイソンが溶接!
そんな曲げ方想定外!!
亀裂が入ったら土下座でも修復不能!!
今回は、最後の点検項目、4、クラウン及びボルトが摩耗していないか点検についてなんだ。
シャックルのクラウン及びボルトに、摩耗がないかどうかノギスなどで
計測して確認するんだ。
ん・・・クラウンが分からないって?
クラウンって言うのは、シャックルの丸くなっている部分のことなんだ。
シャックルの部位の詳しい説明は、次回のブログに書くことにするよ。
計測なんだけど、元の径の寸法と実際に摩耗している径の寸法を計測して
摩耗率(%)を計算する必要があるんだ。
摩耗率(%)は、
で計算する。
この、計算をして5%をこえるものは廃棄しなくっちゃいけない。
仮に、シャックルの元の寸法(d)が50mmと点検後の寸法が40mmだったとする。
これを上の計算式で計算すると
となり、5%以上なんでこのシャックルはもうすでに使っちゃいけないってことに
なるんだ。
シャックルは連結金具なので、長い間吊り具に連結されて使われ続けたり、
繰り返し荷重がかかっていたりして摩耗することがよくある。
例えば、「亀裂がはいっちゃって土下座しても修復出来なかった彼女との関係を
なごり惜しんで知らないうちに神経をすり減らしてズタズタになった状態」みたい
なもんだ。
憔悴してやつれてしまうよね。
そんなやつれた状態じゃ、本来の力は発揮できないってことになる。
それと同じようなことがシャックルにも言える。
シャックルもやつれて健康な状態じゃないと本来の力が発揮できない。
そんなシャックルを使っていると破断して重大な事故の原因になる可能性が
あるから使っちゃいけない。
シャックルが、「力が出ない!」って叫んで教えてくれるワケじゃないんで
定期的な点検が必要なんだ。
君たち、知らないうちにやつれてしまわないように点検してくれよ。