フックのあて吊りの怖さ知ってるかい!?
前回に引き続き今回も、フックの正しい使い方について書いちゃうよ。
フックは、誤った使い方をしちゃうと壊れて事故の原因になっちゃうんで、
正しい使い方をして欲しいんだ。
何が正しくて何がダメなのか分からない君たちに、現場なんかでよくやっている
誤った使い方を紹介しているんだ。
それが、
(1)フックの先端吊り
(2)フックのあて吊り
なんだ。
前回は、(1)フックの先端吊りについて書いたんだけど君たち、分かってくれたかい。
フックの先端吊りをしちゃうと、フックが延びちゃったり、ひどい場合は破断
しちゃったりするときもあるんだ。
そんな状態になったら、吊り荷が不安定な状態になったりして落下事故になる
こともあるからやっちゃいけないんだ。
今回は、(2)フックのあて吊りについて書こうと思う。
上の画像を見てほしい。
フックの本体が吊り荷に当たっているのが分かるよね。
これが、(2)フックのあて吊りなんだ。
このフックの使い方も現場でよくやっちゃっている使い方なんだ。
で、もちろんこのフックの使い方に問題があるんだけど、君たち分かるかな?
このブログを見ている君たちには簡単だよね。
そう!このフックには横方向の荷重が掛かっちゃっている事が問題なんだ。
フックに横や斜め方向に荷重が掛かっちゃうとフックを曲げようとする力が作用
しちゃうんだ。
フックは縦方向に引っ張る荷重をかけて吊るように設計しているんで、横や斜め方向
からの曲げの力には強くないんだ。
それにフックと吊り荷が当たっている状態で吊っちゃっているから、当たっている部分
から吊り荷やフックに傷が生じ破損の原因にもなっちゃう。
分かり易く戦車に例えてみようと思う。
君たちも知っていると思うんだけど、戦車ってのは、分厚い装甲、左右に
ぐるぐる回る大砲、建設機械みたいなキャタピラーを持つ機動力、攻撃力、防御力に
優れた軍用車両のことなんだ。
そんな戦車が外力を受けたとしよう。
前からの外力には、分厚い装甲で跳ね返しちゃうんだけど、横から外力を受ける場合は、
装甲も前ほど厚いワケじゃないし、キャタピラーを破壊されたら走行不能に
なっちゃって、ただの鉄の塊になっちゃうんだ。
戦車はその構造上、横からの外力に弱点をもっているってことなんだ。
この人のアタックを受けたら万事休すだろうけどね。
フックの場合も、縦方向に荷重がかかるように使うときは力を発揮するんだけど、
横や斜め荷重が掛かっちゃうと本来の力が発揮できなくって破損、破断してしまって
吊り荷の落下ってことになりかねないんだ。
他にも横や斜め方向の荷重がかかる使い方として、吊り荷にスリングを巻き付けて
フックで固定する使い方があるんだけど、これは次回に説明することにするよ。
君たち、フックは縦方向に荷重がかかるように使ってくれよ。