知らず知らずのうちに全身に回っちゃうよ!

前回、フックの口開きの点検について書いたんだけど、君たち分かってくれたかい。

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前回ブログ

フックの口開きについては、標点距離を測って点検しちゃってくれよ。

さて、今回も前回に引き続いてフックの点検について書こうと思う。

フックの点検項目は大きく分けて

(1)・変形していないか点検
(2)・摩耗、腐食していないか点検
(3)・当たりキズ、亀裂がないか点検
(4)・アークストライクがないか点検
(5)・外れ止め金具が機能しているか点検

この5項目で、前回、(1)・変形していないか点検について書いたんだ。

続いて今回は、(2)・摩耗、腐食していないか点検についてだ。

フックに摩耗や腐食がないかどうか、目で視たりノギスなどの計測器を使って点検するんだ。

まず、摩耗なんだけど(1)・変形していないか点検と同じような点検をしちゃうよ。

フックは、縦方向に荷重が掛かるように使わないといけないんで摩耗する箇所は
決まっているんだ。

この矢印が付いている箇所が摩耗しやすい箇所なんだ。

上の矢印の部分は、シャックルやワイヤなんかと連結する部分だし、下の矢印の部分は
直接吊り荷に掛けたり、リングやシャックル、ワイヤなんかと連結する部分なんだ。

フックを使っているときは常に何かを連結しているんで擦れ合っちゃう。
だから、この部分が摩擦しちゃうんで点検が必要なんだ。

点検方法は、上の画像のDとIの元の寸法を計測して、実際使って摩耗したDとIを計測して
摩耗率(%)を計算するんだ。

DとIでこの計算をして、摩耗率が5%を超えるものは使っちゃいけないんだ。

次は、腐食について書いちゃうよ。

腐食って言うのは、金属が水とか酸素とかで酸化して、錆(さび)が発生しちゃって
金属の厚さが減っちゃたり、孔が開いちゃったりしてボロボロになったりすることなんだ。

フックの腐食の点検なんだけど、まずは目で視たり軽くハンマーで叩いたりして錆が
ないか点検するんだ。

表面が少し錆びているだけとかのときは、錆を落として油を湿布して使うことが
出来るんだけど、著しい錆や局部的に浸透した錆のあるものは使っちゃいけないんだ。

フックが錆びて細くなっちゃたり、孔が開いちゃったりして脆くなっちゃうからね。

錆を使ったことわざに「身から出た錆」っ言うのがあるよね。
このことわざの意味は、「自分の犯した悪行のために、自分自身が苦しむこと」なんだ。

もともとの由来は、「身」って言うのが刀の刀身(鞘に収まっている部分)の事なんだ。
刀の手入れを怠るとその刀身から錆が出て、いざって時に使いものにならなくなって
自分自身の命(身)を落とすことになるってことなんだ。

そこから、刀の身と自分自身の身をかけて、このことわざの意味になったんだけど、
刀身から出た錆が表面だけじゃなくって、刀自体を腐食させてしまうのでその意味でも
取り返しのつかないことしちゃったと言う悔やみが込められたことわざなんだ。

錆は知らず知らずのうちに回っちゃって気づいた時には全身に・・・ってことになる
からね。

僕の身(体)は、すでに錆(首痛、肩コリ、腰痛・・・)だらけ。
全身に回る前に早く点検して錆を落とさないと大変なことになっちゃう!

君たち、「身から出た錆」状態にならないようにフックの点検をしちゃってくれよ。