シャックル表面処理シリーズ3 ドブの巻
昨日は敬老の日だったね。
君たちはおじいちゃん、おばあちゃんに
プレゼントを渡したかい?
父の日や、母の日と同じで、
プレゼントって選ぶのも結構難しいよね。
「お酒が好き!」とか「甘いものが好き!」
っていう人には好みのものを選ぶといいし、
お花を渡すっていうのも定番だよね。
でも一番いいのはちゃんと会って
日頃の感謝の気持ちを伝えることだよ。
なかなか会えない人は手紙でもいいよね。
きっと喜ばれると思うんだ。
偉そうなことを言いながら、今回、僕は何もしてないから
来年はちゃんと会いに行こうかな。
さて、ここから本題に入るよ。
今回はシャックルの表面処理シリーズ第3弾
「ドブメッキ」だよ。
変な名前だなーと思った君たち、
正式名は別にあって、「溶融亜鉛メッキ」って言うんだ。
メッキの施し方なんだけど、
溶かした亜鉛にシャックルを“どぶん”と浸して
表面に亜鉛の皮膜を作っていくよ。
色々と諸説はあるけど、
このメッキの施しかたから「ドブ」とか「天ぷら」
って呼ばれるようになったみたいなんだ。
呼び方は単純だし、メッキを施す工程も簡単かと思いきや、
一定の品質のものを作るのには高度の技術が必要なんだよ。
ドブの一番の特徴は電気メッキのものよりも、
防錆性が高いということだよ。
理由は亜鉛と鉄の間にできた合金層の役割によって、
お互いが強く結合するからなんだ。
詳しく説明すると、大きく2つの特徴があるよ。
メッキの表面にできる、亜鉛の酸化被膜が、
空気や水を通しにくい性質を持っていて
シャックルを錆びにくくする「保護皮膜作用」。
万が一、傷がついて中の鉄が出てきてしまっても、
傷の周りの亜鉛が鉄より先に溶けて、保護をする「犠牲防食作用」。
少し難しいけど、こんな特徴があるんだ。
「ドブメッキ」っていう名前から
なんとなく、汚そうなイメージがあるけど、
電気メッキのシャックルよりも錆びにくいから、
もちろん価格も高くなってくるよ。
ドブメッキは、電気メッキほどピカピカした光沢感は無いけど
シルバーっぽい色が特徴的だよね。
メッキの厚みはJISで決まっていて、
HDZ35~HDZ55まであるよ。
これはメッキの付着量を表している数字なんだ。
HDZの後につく数字が大きくなるほど、
付着量が多くなっていくよ。
メッキの付着量を増やしてほしいといった
場合は、僕に相談してくれよ。
「HDZ35」ってさっき言ったけど
つい「35」に反応してしまうのは僕だけかい?
「35億」じゃないし、無理やりな感じは否めないけどね。
たまに「ドブメッキのシャックルが
白い粉を吹いたみたいになってるけど大丈夫?」
っていう問い合わせをもらうんだけど
原因は「白サビ」なんだ。
初期の白サビはたいして問題ないんだけど、
これを放置しておくと、腐食していくことがあるから
注意してくれよな。
腐食が進んで廃棄基準に達したシャックルは
ちゃんと廃棄してくれよな。
君たち、今日も一日ご安全に!!