溶接タイプのリングでも違いがあるよ!
君たち、もうすぐ夏の甲子園が始まるよね。
高校野球の聖地で行われる戦いが
どんなドラマを生むのか楽しみだね。
僕も時間があればアルプススタンドで
地元の高校球児を応援しに行きたいよ。
今回は溶接リングについて紹介するけど、
「これは吊具?」
「これで吊っちゃっていいの?」
って言う製品を紹介しちゃうよ。
まずは下の写真を見てみよう。
アプセット溶接
アプセット溶接は、抵抗溶接(溶接継手部に大電流を流し、
ここに発生する抵抗熱によって加熱し、圧力を加えて行う溶接)
の一種で、突合せ抵抗溶接(溶接継手の端面を突き合わせ、
加圧して行う抵抗溶接)の一つです。
アプセット溶接は、以下の図のように、突き合わせた溶接継手の
端面を通電による抵抗発熱で溶融・加圧を行い接合する抵抗溶接です。
吊り具としてはどう?
ネット工事関係ではよく見かけるリングだけど・・・
JIS B 8817では、丸のリングは鍛造品でないといけないんだ。
理由として、溶接だと天地がはっきりしなくて
一番強度の弱い溶接部にスリングやフックが
当たってしまい破断してしまう恐れがあるから、
吊り具としては使用しないでね。
困った場合には、
(1) 強力リング
(2) ハイパーリング
(3) スーパーアロイリング
のような、ちゃんと使用荷重の刻印が
されていて鍛造品の吊り具で吊っちゃいなよ。
次の製品を紹介しよう。
この商品はゴルフネット用として
よく使われているけど、
吊り具としてはこれも不向きなんだ。
JISでは丸形リングは鍛造品でないと・・・
っていう話はしたけど
さらに付け加えちゃうと、適切な熱処理及び
必要に応じて機械加工を施さなくちゃいけないんだ。
熱処理に関しては、以前シャックルでもちょこっと紹介したよね。
だから8型リングは材質の問題で
吊り具としては使用不可になっちゃうんだ。
こんな時には
(1)アロイメインリンク
(2)大内径リング
を使ってくれよ。
(2)大内径リングは溶接タイプだけど
吊り方向としては内径の広い方向へ
力がかかるから天地がはっきりしているよね。
一番弱い溶接部分にスリングやフックが
当たらないから吊り具としても問題ないよ。
丸いリングで思いつくのが牛の鼻輪だよね。
鼻輪の付け方ですが、子牛を押さえて、
大きな輪っかのようなハサミを鼻に当て、
思いっきり挟み、バチッと穴を開けたら、
ぐるりと回すらしい。
そうして空けた穴に、リングを通すらしいよ。
君たちの使っているリングを一度確認してくれよ。
来週は別の特殊任務があって
電波の届かないところにいるから
次回8月19日の
「吊り具ブログ「吊るのひと声!」」
を期待してくれよ。