★㊗300回記念★ ミスターTの部屋 ~玉掛け作業編~
明後日の3月21日は春分の日だね。
祝日だからお休みっていう人も多いんじゃないかな。
この春分の日、昼と夜の長さが同じになる日っていうのはよく聞く話だよね。
じゃあ君たちのなかで、
春分の日が毎年変動することに気づいている人はいたかい?
実際、去年の春分の日は3月20日だったしね。
実は毎年、国立天文台で作成する
歴象年表に基づいて、内閣の会議で春分の日をいつにするか決められてるんだって。
内閣の会議で、決められてるなんて知らなかったよね。
僕はおはぎを食べることしか考えてなかったから勉強になったよ。
さて、ここから本題に入るよ。
今日は300回記念シリーズの最終回だよ。
これまでは、シャックルやワイヤなんかの
特定の吊り具について説明してきたよね。
最終回の今日は、吊り具じゃなくて、玉掛け作業全体をとおしての
基本的なお悩みや、注意してほしいことを説明していくよ。
① 玉掛けの資格に種類はあるの?
玉掛けの資格にも種類はあるよ。
この図を見てくれ。
玉掛け技能講習と玉掛け特別教育の2種類があるんだ。
じゃあここでクイズだよ。
この下のイラストの場合、玉掛け特別教育の修了者で作業できるかな?
答えはノーだよ。
上のクレーンは5tだから玉掛け技能講習の修了者でないと作業できないよ。
吊り荷の重さではなくて、クレーンの吊り上げ荷重を確認してくれよ。
技能講習と特別教育の資格の違いは、間違いやすいから
これを機会に、もう一度おさらいしてくれよな。
② クレーンの運転手さんに合図を送るときはどんなのがあるの?
玉掛け作業の現場で手を上げたり下げたりしている人を見たことはあるかい?
あれはクレーンの運転手さんに合図を送っているところなんだ。
手での合図だけでなくて、
声や、笛、無線機なんかもあるよ。
その中でも、手での合図はよく使われるから、君たちも知っておいた方がいいかもね。
いきなりだけど、この合図は何だったか覚えているかな?
答えは巻き上げの合図だよ。
クレーンを巻き上げてほしいときに
片手を高く上にあげて円を描くよ。
答えがわかった君たちも、思い出せなかった君たちも
もう一度ここからチェックしてみてくれよ。
③玉掛け用具の点検は法令で決まっているの?
玉掛け作業をするときは、日常点検と定期点検の
2種類の点検方法があったことを覚えているかい?
そのなかでも日常点検は法令で義務付けられているんだ。
【参考】クレーン等安全規則(省)第220条 事業者は、クレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛用具であるワイヤロープ、つりチエーン、繊維ロープ、繊維ベルト又はフツク、シヤツクル、リング等の金具(以下この条において「ワイヤロープ等」という。)を用いて玉掛けの作業を行なうときは、その日の作業を開始する前に当該ワイヤロープ等の異常の有無について点検を行なわなければならない。 2 事業者は、前項の点検を行なつた場合において、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。
こんな風に日常点検は義務付けられているから、
しっかりと行って、安全に玉掛け作業に入れるようにしてくれよ。
今日で300回記念シリーズはおしまいだよ。
前に説明したことも、よく聞かれることだから、あえてもう一度説明してきたよ。
玉掛け作業に関することで、当たり前だと思っていたことが
このシリーズを読んで、実は当たり前じゃなかった場合もあるかもしれないね。
その場合は、周りで一緒に作業をする人たちと正しい情報を共有して
安全な玉掛け作業を行ってくれよ。
そういえば、僕も当たり前と思っていたことが、
実は当たり前じゃなかった経験があるんだ。
春分の日に、田舎のおばあちゃんがおはぎを大量に作ってくれていて、
小さい頃からよく食べていたんだ。
僕の家はおはぎも主食扱いだったから、
中学生頃、お弁当におはぎを入れて持っていったら
周りの友達たちにビックリされたよ。
友達の反応を見て、世間ではこれは当たり前じゃないんだってようやく気付いたんだ。
おはぎの場合は笑い話で終わるけど、
玉掛け作業だと危険な場合もあるから、
基本的なこともちゃんとおさらいして、皆と共有してくれよな。
君たち、今日も一日ご安全に!!