危険を察知!どこが危ないかわかるかな? ~アイボルトの場合~

君たち、そろそろ桜の季節がやってきたね。
もうすでに開花宣言が終わっているところもあるけど、
先週の全国的な寒さや雨で、思ってたほど開花が進まなかったよね。
今週は暖かくなるところも多そうだから、一気に咲き始めると思うよ。
桜の季節も短いから、今のうちにお花見の計画でもたてようかな。
桜の木の下でお酒を飲んで、花びらが盃に落ちてきたり、
屋台のやきそば、BBQ、三色だんご・・・
え?桜よりも飲んだり食べたりすることしか考えてないんじゃないかって?
まあ、「花より団子」っていう言葉もあるくらいだから、
ほどほどに桜を楽しみながら、楽しく飲んだり食べたりしようと思うよ。

さて、ここから本題に入るよ。
今週から玉掛け作業をするときに起こる、危険性について勉強していくよ。
僕がクイズ形式で、君たちに問題を出すから考えてみてくれよな。
来週から4月になって、新人さんも入ってくることだし、
前に説明した基本的なことも、もう一度説明していくよ。
記念すべき1回目はアイボルトを使う場合を考えてみるよ。

このイラストを見てくれ。
ここに危険が潜んでいることに君たちは気づけたかな?

イラスト1

アイボルトを横に取り付けて吊り作業をしているね。
「ちゃんと吊り上げているし大丈夫じゃないの?」
と思った君たち。
ここにも危険は潜んでいるんだ。
前にもこのブログで説明しているから、思い出してみてくれよ。
君たちわかったかな?
このまま吊り作業をしていると・・・

イラスト2

おっと!危ない!
アイボルトが首の部分から折れてしまったね。
これだと荷が落ちてしまってかなり危険だよ。
こんな事故に繋がらないためにも、
アイボルトでの横吊りや、引き起こしは絶対にしないでくれよ。
というのもアイボルトは縦方向に吊るように作られているから、
横吊りをしてしまうと、テコの原理でボルトが歪んだり、
この例のように、折れてしまうこともあるんだ。
アイボルトを使うときは、下のイラストのように
吊り角度を60°以上にして縦吊りするか、
回転式のアイボルトを使うようにしてくれよ。

※吊り角度について※
JISでは、アイボルト2個による45度吊りの使用荷重を規定しているけれど
より安全を考慮すると60度以上での使用が好ましいよ。

イラスト3

あとたまに、アイボルトを使った吊り方で、
スリングをタスキ掛けしているところを見かけるよ。

イラスト4

縦吊りをしているから大丈夫かと思いきや、
ねじの緩みや、締め過ぎに繋がって危険なんだ。
アイボルトに通すスリングは、
1個につき1本っていうことを忘れないでくれよな。

こんな風に使い方を間違ってしまうと、
大きな事故に繋がることもあるから、
アイボルトの使い方は、もう一度確認しておいてくれよ。

僕もこないだ、アイボルトじゃなくて、
言葉の使い方を間違っていたことがあるんだ。
他人の失敗を見ているにもかかわらず、
同じ失敗をしてしまうという意味の言葉。
僕は間違って「二の舞を踏む」って言ってしまっていたんだけど、
これは間違っていたんだ。
正解は「二の舞を演じる」になるんだって。
どうも「二の足を踏む」と混同してしまっていたみたいなんだ。

20180326_イラスト

君たちも僕の二の舞を演じることの無いように
この言葉も覚えておくといいよ。
あと、アイボルトの使い方も忘れずにね。

君たち、今日も一日ご安全に!!