Let’s玉掛け作業 in USA ~STEP3~

君、先週からワールドカップロシア大会が始まったね。
4年に一度しかないこの大会に向けて、予選を勝ち抜いてきた32チームが
ここで熱い試合を繰り広げてくれると思うとワクワクしてくるよね。
日本代表の第一試合はコロンビア戦で、今日の夜に放送されるね。
僕ももちろんテレビの前で応援するよ。
日本代表は、ワールドカップ直前になって監督が交代したり、
大会前のテストマッチでもあまりよくない成績だったけど
本番では絶対に勝ってくれると僕は信じているんだ。
君も一緒に応援して盛り上げていこうね。

さて、ここから本題に入るよ。
今月はアメリカでの玉掛け作業について説明をしているよ。
先週はワイヤグリップのとめ方についてどうやって気を付けているのか紹介したよね。
アメリカも日本も玉掛け作業での安全性に関しては、
同じくらい気をつけているっていうことが君もわかってくれたんじゃないかな?
今回はシャックルについて説明をしていくよ。

いきなりだけど君油田って知っているよね?
石油を採掘できる資源の豊かな場所のことだよ。
中東のお金持ちが油田を持っているイメージがあるかもしれないけど、
実はアメリカにも油田があるんだ。
アメリカでは油田の現場で玉掛け作業をする場合、
シャックルはボルトナットタイプを使うっていう決まりがあるんだよ。
どうしてボルトナットタイプを使っているかって?
ここでもう一度、シャックルの選定方法をおさらいするよ。

捻込タイプのシャックルは、人の手でボルトを捻込むだけで
本体とボルトが簡単にセットできるよね。
だからシャックルの取り外しが多い現場でよく使うよ。
反対にボルトナットタイプのシャックルは、ボルトを本体に入れて
ナットでとめてから割ピンをセットする作業が入るんだ。
シャックルの取り外しが少ない現場で使われるよ。

ボルトナットタイプ、ねじ込みタイプ画像

これだけ見ると捻込タイプのシャックルの方が
簡単に取り外しもできるし使いやすいんじゃないかって思っちゃうよね。
でもよく考えてくれよ。
人の手で捻込むだけで簡単にセットできる捻込タイプは、
逆を言うと、しっかりと捻込めていない場合、ボルトが外れてしまう可能性があるんだ。
特に動索側にシャックルのボルトがくる場合は、しっかりと捻込んだつもりでも
気づかないうちに外れてしまう場合があるよ。
動索ってなんだったけ?って思った君はここからもう一度チェックしてくれよな。

油田の現場では採掘するときにボーリングっていって穴を掘る作業があるんだ。
穴を掘るときに地面が揺れて、振動が色々なところにかかってくる可能性があるよね。
だから捻込タイプのシャックルだと揺れで外れてしまうことが考えられるから
ボルトナットタイプのシャックルを使うんだろうね。
日本でも現場によっては、ボルトナットタイプのシャックルを使うように
決めているところもあるから、この話はアメリカに限らず日本も同じなんだ。

君は映画「アルマゲドン」を見たことはあるかい?
地球を守るためにブルースウィリスたちが小惑星に行く話だよ。
これでもかってくらいトラブルが続いて、これでもかってくらい父親のカッコよさを
見せつけられて、これでもかってくらいエアロスミスの曲が頭に残る映画なんだ。
急に何を言いだすんだと思ったかい?
あの映画に出てくるブルースウィリスたちは実は宇宙飛行士じゃなくて
もともとは油田を採掘する仕事をしているんだ。
もしかしたら小惑星に行く前に
ボルトナットタイプのシャックルを使って仕事をしていたかもしれないね。

20180618_イラスト

あまりここでアルマゲドンの話をするとネタバレになっちゃうからこの辺にしておくよ。

アメリカも日本もシャックルを使うときは、その場の状況に応じて、
捻込タイプのシャックルかボルトナットタイプのシャックルを
選んでいることを覚えててくれよ。
あと映画「アルマゲドン」は名作だってこともね。

君、今日も一日ご安全に!!