大きなシャックルから、小さな巨人が誕生した理由を教えちゃうよ
君たち、最近ますます寒くなってきたよね。
それもそのはず、2014年11月7日は立冬なんだ。
暦の上で、冬の始まる日だよ。
朝晩が冷え込んできて、日中の陽射しも
なんか弱ってきているよね。
冬が近いことを感じさせる今日この頃。
木枯らし1号や初雪が降った
地域のところもあるんじゃないかい。
今回も、そんな寒さも吹き飛ばしちゃうくらいの
熱い内容を書いていこうと思う。
君たちから、シャックルについてこんな質問を受けたよ。
JISシャックルは、同じピン径の
シャックルに比べて使用荷重が
かなり小さいのはどうしてでしょうか?
また、普通はどちらを使うのでしょうか?
使い分け等教えてください。(M・Hさん)
まずは、大事なポイントを書くよ。
(1)口幅
(2)材料径
(3)材質
上記3点を忘れずに覚えておいてくれ。
シャックルってラインナップが多いから
どれを使用すればよいか困っちゃうよね。
使用荷重やサイズなど多種多様にあるけど、
小型化が進んだ背景には
1970年の造船ブームで100万tonドックが
出現したことが1つの要因としてあるよ。
ドックとは
船の建造、修理、係船、荷役作業などのために
築造された設備及び施設
そのため、大型クレーンが必要になり、
連結金具のシャックルも高強度化、
軽量化が求められるようになってきたんだ。
基本形として、JISシャックルサイズが
あることをしっていてほしい。
使用荷重を決める際の式を思い出してくれ!
使用荷重=破断荷重÷安全率
だったこと思い出してくれたかい?
シャックルの安全率は5倍以上だったよね。
その中で、口幅や材料径、材質で破断荷重が変わるために
使用荷重も変わってくるんだ。
使用荷重10tで大きさを比べてみたよ。
見た目でも違いがわかるよね。
質量だってこんなに変わってくるんだ。
重いよりは軽いほうが玉掛け作業がしやすいよね。
チェーンの連結を目的に開発されたシャックルや、
軽量化を図るためにJISシャックルの寸法を基本に
材質を変更することで、使用荷重を高めたものなど
多種多様にあるんだ。
上の図で言うと、スーパーアロイシャックルは、
体は小さいけど使用荷重は同じことがわかるよね。
つまり、小さな巨人ってことなんだ。
小さくても大きな仕事をする人物で
あだ名が「小さな巨人」と言ったら
真っ先に出てくる人がこの人だ。
里中君は高校野球選手として体格が小さいことで
そのように呼ばれているけれども、
力強いピッチングで甲子園優勝に導いたよね。(漫画だけど・・・汗)
連結用金具のシャックルは、玉掛け用具と吊り荷を
連結させるため、使用用途によって選択が必要なんだ。
質問にあったように
Q:普通はどちらを使うのでしょうか?
という答えは、
A:吊り荷に応じて使い分けが必要
という返答になるんだ。
そのため、玉掛け作業に最適なシャックルを選択するために
いろいろな形や大きさのシャックルが誕生してきたんだ。
だから、君たちがシャックルの選定に困った際には、
近くの大洋製器工業取扱店や大洋製器工業のスーパー営業員に
相談してみてくれよ。
きっと君たちの悩みを解決してくれるはずだ。
今年も残り2ケ月になっちゃったけど、
今日も元気を出して吊っちゃいなよ。