Let’s玉掛け作業 in USA ~STEP4~
≪このたびの大阪北部の震災におきまして、被災された皆様には謹んでお見舞い申し上げます。≫
先週の大阪の地震で怖い目にあった人たちも多いんじゃないかな。
僕の会社も本社が大阪にあるから、あの日は交通機関が止まってしまって
出社できない人がたくさんいたんだ。
まだ余震が続いている地域もあるから、近くに住んでいる人たちは
気を付けてすごしてくれよ。
さて、ここから本題に入るよ。
今月はアメリカでの玉掛け作業について説明をしているよ。
先週は、油田の現場ではボルトナットタイプのシャックルを使っているって話をしたよ。
現場によってボルトナットタイプのシャックルと捻込タイプのシャックルを
使い分けているのは、日本もアメリカも同じだっていうことがわかったよね。
最終回の今日は、玉掛け作業をするときの角度について説明をしていくよ。
日本と同じ点や、違う点があって君も興味深いと思うんだ。
君はワイヤで2本吊りをする場合の推奨角度は覚えているかい?
吊り角度が大きくなればなるほど、ワイヤに掛かる張力も大きくなるから
使うワイヤも太くなっていくんだったよね。
日本では原則60°以内にするように言われているよ。
君覚えていたかな?
じゃあアメリカではワイヤで2本吊りをする場合
角度はどれくらいを設定したらいいか知っているかい?
答えは60°以上だよ。
なーんだ。日本と全く同じことを言ってるじゃないかって思った君、
ちょっと待ってくれよ。
僕が今説明した言葉をもう一度よく見てみてくれ。
「日本では60°以内。」
「アメリカでは60°以上。」
あれ?アメリカでは角度が60°以上になっているよね。
でもこれだと角度が大きくなるにつれて、
ワイヤに掛かる張力も大きくなってしまうから、
細いワイヤだと使用荷重をオーバーしてしまう可能性も出てくるよね。
なんでアメリカでは角度を60°以上って言ってるんだろう?
実はアメリカと日本で指している角度の場所が違うんだ。
上の図をよく見てくれ。
日本では吊っているスリングとスリングの間の角度を指して、吊り角度60°としているよ。
それに対して、アメリカではスリングと吊り荷との角度を指して60°としているんだ。
これで60°以内と60°以上の謎が解けたよね。
今回は日本とアメリカでは、玉掛けをするときに見る角度の場所が違うっていうことがわかったね。
でも結局は、安全に玉掛け作業ができるように、同じことを言っているんだ。
こんな風に同じものでも住んでいる場所によって違う見方や言い方をすることって
日本でもあるよね。
例えば君はこのイラストを見て何て呼ぶかな?
え?僕の絵がひどすぎてなんだかわからないって?
自転車の絵を描いたつもりだったんだけどね。
「チャリ」とか「チャリンコ」って呼ぶ人は関西方面の人たちだよね。
「ケッタ」って呼ぶ人たちは名古屋方面出身かな?
こんな風に呼び方や見方が違っても、実は同じものって日本でもたくさんあるよね。
今月はアメリカと日本の玉掛け作業について説明してきたよ。
日本との共通点や、逆に違う点もあっておもしろいよね。
でもこれだけは覚えておいてくれよ。
安全に作業をしようという気持ちは、国が違っても同じなんだ。
ちょっとカッコつけすぎちゃったかな。
君、今日も一日ご安全に!!