ワイヤロープを腐らせるな!
君たち、今年度最後のブログ更新だよ。
今週の4月1日が何の日なのかは、
君たちもちろん知ってるよね。
そう、新入社員が入社する日!
でもあるけど、世界的に言えば
エイプリルフールだよね。
意味としては、「罪のない嘘をついて良いとされる日」で、
日本では「四月馬鹿」とも呼ばれるらしいよ。
その昔、ヨーロッパでは3月25日を新年とし、
4月1日まで春の祭りを開催していたけど、
1564年にフランスのシャルル9世が
1月1日を新年とする暦を採用したそうだ。
これに反発した人々が4月1日を「嘘の新年」として位置づけて、
馬鹿騒ぎをするようになったのがエイプリルフールの始まりとされる
起源説が有力だそうだよ。
あくまでも、仮説の域だけどね。
さて、前回、前々回とワイヤロープの
点検廃棄基準について書いてきたけど、
玉掛け作業現場で普段使用している
ワイヤロープを点検してくれたかい?
もう、実践してくれた君たち、
断線、摩耗についてはわかってくれたよね。
第3弾は、見た目が赤くて触りたくない
腐食(サビ)について書いていこうと思う。
腐食したものは素線が脆くなっているから、
強度は低下しちゃうんだ。
【例】
さらに、油切れを伴っているために
ワイヤロープ内部の腐食についても
注意して点検する必要があるよ。
ロープが局部的に細くなったり、
ストランドのよりがゆるんだときは、
ワイヤロープ内部が腐食している可能性があるよ。
上の写真のような色をしていたら
すぐに廃棄してくれ。
相当長い期間使用したにもかかわらず、
あまり断線もなく磨耗も少ない場合があるけど、
このような場合は、特に内部腐食について
考える必要があるんだ。
こういった場合は、使用年数に制限を設けて、
ワイヤロープを新しいものに交換するしかないね。
特に人の乗るものに使用するロープでは、
廃棄基準でなくても使用条件に応じて
1年から5年くらい使ったら廃棄を検討する
必要があるよ。
点検方法としては、目視でワイヤロープの
表面の腐食の有無を確認することからだ。
もし有れば、布地で拭いて取れる薄い錆か、
表面に凸凹が生じているかを点検してくれ。
内部はスパイキ等でストランドを持ち上げて、
赤錆程度なのか、内部腐食まで進んでいないかを調べるんだ。
ちょっとでも長く使用したいのなら、
保管方法にも気を付けてくれよ。
ジャガイモの保管の仕方で悪くなるのを防ぐ方法を
知っているかい?
ジャガイモは、りんごと一緒にポリ袋に入れておくと、
りんごから出る成分が芽の成長を抑え、
芽が出にくくなるという効果があるそうだ。
保管状況で使用期限もかわるよね。
屋外のクレーンで、長期間(5~6年)使用したために
繊維心が腐食してワイヤロープの破断事故を
起こした事例もあるからしっかり点検してくれよ。