君たち、使用荷重を守って
玉掛け作業をしているかい。
前回は吊り具の強さを示す単位について
書いたんだけど、覚えているかい。
読み返したい君たちは、
ココから振り返っちゃいなよ。
さて今回は、「セットで使う玉掛け用具の
使用荷重の表示」について書こうと思う。
セットで使う玉掛け用具の代表的な
モノとしてヤークで説明しよう。
鋼板を水平に吊り上げるときに
使用するのがヤークなんだ。
使用方法は以前に書いたことがあるから、
ココから読み返してくれよ。
ヤークは4個での使用を基本とするんだよ。
「WLL〇ton」と使用荷重の刻印があるけど、
この打刻している使用荷重を誤って、
吊り荷の重量だと捉えている人がいるんだ。
ヤークをセットで使用することを認識して
いるから、セットでの吊り上げ荷重が刻印
されていると勘違いをするようだ。
ヤークに打刻している使用荷重は、
ヤーク単体に掛かっていい荷重で、
セットで使う場合の吊り上げ荷重を
示しているんじゃないよ。
これって、他の玉掛け用具と一緒の
考え方だよね。
例えば3tonの鋼板を4個のヤークで
吊り上げる場合、荷重が均等に掛からない
場合を考慮して3tonを4ではなく、
3で割る。
1個のヤークの使用荷重は1tonに
なるんだけど、誤った打刻の捉え方で
計算すると、3ton×3で実際は9tonの鋼板を
吊り上げられることになるんだ。
ヤークの使用荷重が1ton(質量1.8kg)と
3ton(質量9kg)ではヤークの質量に
差があって、作業性にも大きな差が
出てきちゃうんだ。
君たちは刻印が何を示しているのかを
正しく知って、作業性を悪くしないように
してくれよな!
表示通りに使わないモノと言えば、
君たちの現場にはこんなモノも
あるよね。
キャスターにも単体の許容荷重って設定が
あるんだけど、その許容荷重が台車の
最大積載荷重ではないんだ。
そして台車に付いているキャスターが
1個だけだったら、使えないよね。
これって、ヤークに似ていると
思わないかい。
君たちは、ヤークを単体で使っては
いけないことと、刻印は単体に掛かっていい
荷重が示されていることを覚えちゃいなよ。
君たち、今日も一日ご安全に!!!