シャックルの鉄学~特性と注意点~
君たちあっという間にGWも終わっちゃったけど、元気にしてたかな?
「ステイホーム」の掛け声のもと、ほとんど家から出なかったよって君たちもいたんじゃないかな。
僕ももちろんステイホームしてたわけなんだけど、僕がやったことの中でみんなに紹介したいのはオンライン飲み会だよ。
僕らは特に食べ物や飲み物は決めてなくて、それぞれが自分で用意したものを楽しんだんだけど、みんなでテーマを決めて集まるってのもいいかもしれないね。
例えば、「究極の豆腐料理」とか「至高のモヒート」って具合に題材をしぼって、みんなで披露しながら飲み食いするとか、楽しそうだよね。
君たちもこんなオンライン飲み会したら楽しいよってのがあったら教えてくれよな!
さて、ここから本題に入るよ。
前回はシャックルの材質である鉄の作られ方や大まかな種類といった基本的なことを紹介したよね。
今回は鉄の種類によってどんな特性があるのかといったことや、注意点なんかを紹介していこうと思うよ。
まずはシャックルの材質として一般的に鉄と呼ばれる炭素鋼や合金鋼の特性の一例を挙げると、
①加工しやすい
②錆びやすい
③安価
といったことが言えるよ。
次にステンレス鋼の特性の一例を挙げると、
①加工しづらい
②錆びにくい
③高価
となるよ。
普段シャックルをよく使ってるよって君たちなら、だいたい知ってることだったかな。
じゃあ、次に上の特性の比較の中で、ひとつだけ注意点を紹介しちゃうよ。
一般的にはステンレス鋼は錆びづらいんだけど、場合によってはすごく錆びが発生することがあるんだ。
君たちはどんな場合かわかるかな?
・・・そう、海で使用する場合だよ。
ちょっと専門的な話をすると、ステンレス鋼の表面は不動態皮膜といって、すごく薄い膜で覆われているんだ。
通常の状態だとこの皮膜はちょっとした引っかき傷なんかが発生しても再生される性質を持っているから、錆びが発生しづらいんだね。
だけど海だと、海水中に含まれる塩素イオンが悪い作用を起こして、ステンレス鋼を守ってくれてる不動態皮膜が局部的に破壊されて、その部分が優先破壊されることでどんどん腐食が進んじゃうんだ。
この腐食のことを「孔食(こうしょく)」というよ。
孔食が発生すると、チーズみたいに虫食いの状態になってしまうから、ほんとうに危険なんだ。
鉄だと海で錆びちゃうからステンレス鋼にしよう!って簡単に考えてしまうのは、事故のもとだからやめてくれよ。
ちなみに海水に強い特殊なステンレス鋼や、他にも方法が取れる場合なんかもあるから、海で使用する時は相談してみてくれよな!
海でシャックルがチーズ状になっちゃったら困るけど、海でモヒート片手にチーズを食べるんだったら大歓迎だよね。
・・・まだ梅雨が始まってもないのに気が早いって?
まあたしかにそうだけど、たまには明るい未来のことを想像することも必要だよね。
今年の夏にこんなことが出来るように祈っているよ。
君たち、今日も一日ご安全に!