玉掛け用具の「目」
君たち、台風10号は大丈夫だったかな?
毎年のように大規模な自然災害が起こっているように感じるんだけど、それに伴って災害に対する事前準備をしっかりして備えるっていう風潮になってきているようにも感じるよ。
それでも予想を上回ったりすることがあるのが自然災害の怖さだから、君たちもくれぐれも用心を怠らないようにしてくれよ。
台風の大きさを測る目安はいろいろあるけど、見た目でわかりやすいのは「台風の目」だよね。
これがくっきりしてるほうが、勢力が強いっていうやつね。
今回も発生後にみるみるうちに大きくなって、台風の目もくっきりしてたよね。
人間の好みだと「目がぱっちりな人が好き」とかあって別に問題ないけど、台風の目がくっきりなのは勘弁してほしいよね。
うん、台風の目は「海水浴の後の今にも寝そうな子供の目」くらいまどろんでたら被害も少なくていいのにね。
今年はもうこれ以上大きな台風が発生しないことを祈っているよ。
さて、ここから本題に入るよ。
今日は「台風の目」について話してきたから、「玉掛け用具の目」について説明していこうと思うよ。
え?玉掛け用具の目ってなんのこと?って思った君たち、実は普段使っている玉掛け用具の中にも「目」って呼ばれるところがあるんだよ。
さあ、次の中から目を探せるかな?
正解は・・・そう!ワイヤロープの両端の輪っかの部分だよ!
この部分のことをアイ(EYE=目)っていうんだけど、これはJISでも同じ表記なんだ。
しかも、ワイヤだけじゃなくて、繊維スリングの輪っか部分も同じ呼び方だし、フックの上側の輪っかの部分も同じくアイっていうんだよ。
意外といろんなところに「目」があるよね。
まさに、壁に耳あり障子に目あり(?)だよね。
次にスリングのアイに関する注意事項をまとめておこうと思うよ。
スリングのアイ部ってのは、ワイヤにせよベルトにせよ輪っかを形成するわけだから、荷重のかかり方としては2本に分配されるよね。
つまり、スリング本体部が1本で強度を保持するのに比べると、アイ部は強い部分と言えるってことだよ。
ただ、強いからなにをしても大丈夫ってわけでもないんだ。
気をつけなくちゃいけないこと、それはアイ部の開きなんだ。
ワイヤのアイ部の開き角度は60°以内とするよう推奨されているし、ベルトのアイ部に関しても開きが大きすぎると縫製部を剥離させようとする力が働くから、アイ部に連結するピン径はアイの長さの1/4以下とすることが望ましい、とされているよ。
要するに、どちらの場合もアイ部を大きく開きすぎると強度が落ちるから危険だよって言ってるんだ。
あと、逆に細すぎるものと連結する場合も強度が落ちるから気をつけてくれよな。
今回は目に関することが「目白押し」だったけど、「生き馬の目を抜く」こんな時代だからこそ君たちに「目から鱗」な情報を発信し続けていこうと思ってるから、僕がつまらないことを言っても「目くじらを立てず」に「長い目で見て」ほしいと願ってるよ。
僕の目力で台風を撃退できたらいいんだけどね。
君たち、今日も一日ご安全に!