熱処理 ~焼入れ・焼戻し・焼なまし・焼ならし~
君たち、突然だけど6月14日はなんの日か知っているかい?
実は「手羽先記念日」なんだって!
手羽先が有名な居酒屋チェーン店の創業記念日に由来して決められたそうだよ。
手羽先を食べるとビールが進むよね!もはやビールを飲むために食べているようなものだよね!
上手な食べ方をよくテレビで紹介されているけど、いつも上手にできなくてそのままかぶりついているよ。
さて、ここから本題に入るよ。今日は、熱処理について説明していくよ。
熱処理とは、金属材料を加熱・冷却することで製品の形を変えることなく
必要な強さや硬さ、粘りなどの性質を持たせる処理の事だよ。
一般的に鉄は、炭素含有率が0.02%~2.1%のものを「鋼」、それ以下のものを「純鉄」、それ以上のものを「鋳鉄」というよね。
「S25C」や「S45C」という文字を見たことがないかい?
この「S〇〇C」の「〇〇」の中の数字は、炭素含有量が何%かを表しているんだ。
例えば、S25Cなら炭素含有率は0.25%、S45Cなら0.45%ってことだよ。
炭素を多く持っている鉄ほど、熱処理をすると硬く、強くなるよ。
逆に炭素含有量が少ないものは、熱処理をしてもほとんど変化が無いから
そのまま使用されることがほとんどだよね。
例えば、SS400は熱処理をしても効果が見込めないからそのまま使用するよね。
冷却の方法で大きく仕上がりが変化して、素早く冷却したら硬く、ゆっくり冷却したら軟らかくなるんだ。
鋼に施される熱処理の基本は、「焼入れ」「焼戻し」「焼なまし」「焼ならし」の4種類だよ。
加熱と冷却の組み合わせで、熱処理の名前が変化するんだ。1つずつ紹介していくね。
「焼入れ」
鋼を硬くすることが目的で、変態点以上に加熱した後、急冷することを「焼入れ」というよ。
焼入れをすると鋼は2~3倍硬くなるけれど、その反面、もろく、割れなどが起こりやすい状態になるよ。
変態点とは、それ以上加熱すると金属の組織が変化する温度のことだよ。
「焼戻し」
焼入れされた硬くてもろい鋼を硬くて丈夫な鋼にすることが目的で、
焼入れした後に再加熱し、加熱温度によって適当な速さで冷却する方法のことを「焼戻し」というよ。
基本的には、「焼入れ」と「焼戻し」はセットで行われて
焼入れですっごく硬くして、焼き戻しで丈夫にするってイメージだね!
「焼なまし」
鋼を軟らかく加工しやすい材料にすることが目的で、
加熱したあと、ゆっくり冷却することを「焼なまし」というよ。
「焼ならし」
前加工の影響を除き次の加工をしやすくすることが目的で、
変態点以上に加熱し、空冷することを「焼ならし」というよ。
焼入れや焼なましの前処理としても行われるよね。
焼入れや焼き戻しされた大洋製器工業の製品は、
軽量シャックル・スーパーアロイシャックル・強力長シャックル・Vフック・強力リング・ハイパーリングなどのオレンジ色の製品等が該当しているよ。
適切な熱処理をすることで、玉掛け用具が安全に使えるようになるんだよ。
手羽先も適切な温度で2度揚げることでおいしくできるっていうよね。
最初は低温で揚げて、2回目は高温で揚げるとしっかり中まで火が通って外はパリパリで
よりおいしくなって、よりビールもおいしくなるんだ。
不適切な飲酒量になってしまって困っちゃうね!
君たち、今日も一日ご安全に!