製品の秘密をあばく!?暴露試験
突然だけど君たちは、物干し竿につけっぱなしにしていたプラスチック製の洗濯バサミが
ボロボロになってしまったことや、窓際に置いていた紙が色あせて茶色くなってしまったことはないかい?
きっとあるあるだよね。
僕もこの間ずっと外に置いていた洗濯バサミを使おうと思ったら、砕けてしまったんだ。
外に置いていた洗濯バサミは全滅だったよ。
分かっていたんだ。外にずっと置いとくのはだめだって。
でも、めんどくさいが勝っちゃったんだよね。
知ってる君も多いと思うんだけど、屋外など日光の当たる場所で
長時間使用・保管された材料や製品は、変形、変色などの劣化をしてしまうんだ。
劣化の原因は、太陽光(主に紫外線)や気温差、降雨や結露による水分、
オゾン、海岸地域では塩分による腐食があげられるよ。
そんな自然環境が原因の劣化に対する抵抗性を「耐候性」といって、
耐候性に関する問題が起こらないように、確認するための試験を「耐候性試験」というんだ。
耐候性試験には「促進耐候性試験」と「暴露(ばくろ)試験」という代表的な試験があるんだ。
この2つの試験の大きな違いは、結果が出るまでの期間だよ。
「促進耐候性試験」は屋内外の自然環境を人工的に再現することで、
早く結果を出すことができるんだ。
試験方法は、塩水噴霧や硫酸銅試験などがあるんだけれど、これはまた今度詳しく紹介するね。
そしてもうひとつの「暴露試験」!今日はこの「暴露試験」を紹介していくよ。
暴露試験っていうのは、材料や製品を屋外にさらして、化学的性質、物理的性質などが、
どんなふうに変化するか、どのくらいもつのかを調査する方法なんだ。
ちなみに暴露っていうのは「秘密をあばくこと」じゃなくて、ここでは「雨風にさらすこと」だよ。
「促進耐候性試験」と比べると、結果が出るまでにとても長い時間がかかるんだ。
1年後の材料や製品の変化を知りたかったら1年間、
3年後の変化を知りたかったら、3年間試験をする必要があるよ。
試験の方法はJISで詳しく決められているんだけれど、
簡単にざっくりいうと、地面から製品を50cm以上離して赤道面に向けて45度の傾斜で試験するんだ。
赤道面に向けてっていうのは、日本では南向きだね。
大洋製器工業でもJIS規格を参考にして、主にめっきの性能を知るために暴露試験をしているよ。
君たちが使用する玉掛け用具のめっきに不具合があったらいけないし、
サビなどの不具合があった場合は、どこが原因なのか調べるために実施しているよ。
実は玉掛け用具の暴露試験のデータを求められることはあまりないんだけれど、
品質に対して厳しい企業に暴露試験のデータを求められる場合があるよ。
例えば、一部のゼネコンなどの企業では、
紫外線に弱い繊維スリングを使用する前に暴露試験のデータが必要ってことがあるんだって。
暴露試験をするのは、鉄製品!って勝手にイメージしてたけど、そうじゃないんだね。
今日は、暴露試験について説明してきたよ。
君たち、今日も一日ご安全に!!