この間、こんな問い合わせをもらったんだ。
「シャックルに使用期限があれば教えていただきたいです。」
この質問をしてくれた君は、使用しているシャックルの中に古い物があったから、
使用期限があるのか気になったんだって!
「確かにシャックルの使用期限は聞いたことないな」って思った君もいるんじゃないかな。
実はシャックル・フック・リングの使用期限は、法令等によって決まりはないんだ。
だから、聞いたことがない君がいて当たり前だよね。
ただ使用期限が定められていない代わりに、点検による廃棄基準が決められているよ。
作業前の点検で規定以上の傷や変形があった場合は、その玉掛け用具の使用は中止してくれよ。
作業前点検はクレーン等安全規則の220条で「その日の作業を開始する前に、当該ワイヤロープ等の異常の有無について点検を行なわなければならない。」って定められているから、必ず行ってくれよな。
「当該ワイヤロープ等」には、シャックルやフックなどの金具の玉掛け用具も含まれているよ。
シャックル・フック・リングの使用期限は、法令では決まっていないって今説明したんだけれど、
大洋製器工業はメーカー基準として、使用期限を10年と推奨させてもらっているよ。
この使用期限は、点検では見つからない経年劣化が起こっているかもしれないから、
安全のために推奨しているんだ。
ただ、絶対10年ってわけじゃなくて使用頻度を考慮する必要があるよ。
だから「そういえば、これいつから使ってるっけ?」っていうような玉掛け用具を使っている君は
使用開始日を確認して、必要があれば買い替えてくれよな。
使用開始日は管理台帳に記録するなどして、忘れないようにしてね。
もし記録してなくて使用開始日がいつか分からないって場合は、
問い合わせてくれたらロット番号をもとに、いつ製造されたものか確認することができるよ。
ただ製造年と使用開始日が、同じとは限らないから参考程度だけどね。
ロット番号は、下の写真みたいな感じで刻印しているよ。
ちなみに厳しく安全管理をしている企業では、独自ルールとして
作業の特性や使用頻度によって使用期限を設けているところもあるよ。
逆に法令や規格などで、使用期限が決められている玉掛け用具は何かわかるかな。
このブログでも何度か紹介しているから、分かった君が多いんじゃないかな。
そう!「繊維スリング」だよね!
繊維スリングは、点検で損傷などの異常が無くても
使用開始から屋内使用で7年、屋外なら3年で廃棄するとJISで定められているよ。
繊維スリングは材質が化学繊維で、材質が金属の玉掛け用具に比べると、
紫外線に弱く、目に見えない劣化が早いことから使用期限が決められているんだ。
もちろん点検で異常が見つかったときは、使用期限がまだ先でも廃棄してくれよな。
今日は、「玉掛け用具の使用期限」について紹介したよ。分かってくれたかな。
ちなみに住宅用火災警報器の使用期限も10年が目安だよ!
家にあるシャックルと火災警報器の使用開始日をチェックしてくれよな。
君たち、今日も一日ご安全に!