直らない!ワイヤロープのキンク
君たち、6月に入ったね!昨日は、何の日か知っているかい?
昨日6月2日は「ロープの日」だったんだ!「ロ(6)ープ(2)」の語呂合わせで、
ワイヤロープ業界の認知度向上と、その安全の啓蒙が目的で制定されたんだって。
実は、4月27日にも「ロープデー」という日があって、
こっちは「よい(4)つ(2)な(7)」の語呂合わせで制定されたみたいだよ。
語呂合わせを考えるのって難しいのに、ロープに関連する日が年に2回もあるなんてすごいね。
さて、ここから本題に入るよ。玉掛け用具のロープといえば、ワイヤロープだよね!
毎年「ロープの日」は、ワイヤロープの話をしているんだ。
今年はワイヤロープの「キンク」について説明していくよ。
キンクは、局部的によりが詰まったり、戻ったりして発生したもので、
プラスキンクとマイナスキンクの2種類があるんだ。
プラスキンクとマイナスキンクのどっちでも、
キンクが発生しているワイヤロープは使用中止をして、廃棄しなきゃいけないよ。
キンクは、ワイヤロープに図①のような輪が出来て、
それを直さずそのまま作業をしてしまうと③のようなキンクが発生するんだ。
だから、ロープを解いているときや引延し中に①のような輪ができたら、
作業を中止して直してくれよ。
キンクについて、ここまでは何度か説明したことあるから、知っている君も多いんじゃないかな。
どうして今回キンクの話をしようと思ったかというと、この間「ワイヤー キンク」って検索したら、
他のキーワードに「ワイヤー キンク 直し方」って出ていたんだ!
たしかにキンクを直したら、また使えそうだよね!もったいないって思っちゃうのも分かる。
だけど、一度キンクしたワイヤロープは強度が低下していて、
たとえ見た目が元通りになったとしても、強度は低下したままなんだ。
下の表はキンクした部分と、キンクを直した部分を引張試験した結果だよ。
キンクを直した場合でも、強度が約20%低下していることが分かるよね。
キンクの度合いによっては、もっと低下している場合もあるよ。
だから一度キンクが発生したら、玉掛け用具としては使用することができないんだ。
この説明をすると「20%強度が低下したことを加味して、使用したらいいんじゃないの?」
って聞かれることが、たまにあるんだ。
確かに、そのワイヤロープをその人しか使用しないし、1度覚えたら絶対に忘れないスーパー頭脳を持っているんです!って人だったら、もしかしたら大丈夫かもしれない。
でも、実際の作業は複数人で行うことが多いと思うし、このワイヤロープは過去にキンクが発生して強度低下を起こしているって、ずっとみんなが覚えておくのは難しいよね。
だからキンクしたワイヤロープは、誤って使用されないためにもすぐ廃棄してしてくれよ。
今日は、キンクについて説明したよ。
「もったいないから直して使いたい!」って気持ちを捨て去るのがポイントだよ!
君たち、今日も一日ご安全に!